BSD界隈四方山話

第123回 DragonFly BSD 5.0登場

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DragonFly BSD 5.0登場

DragonFly BSDプロジェクトから最新メジャーアップグレードバージョンとなる「DragonFly BSD 5.0」が公開されました。x86_64版のLive/インストールイメージがUSBメモリイメージまたはISOイメージの形で提供されています。DragonFly BSDプロジェクトはすでに64ビット版のみを提供していますので,32ビット版は提供されていません。

DragonFly BSD 5.0で最も注目されるのはHAMMER2がブート可能なファイルシステムとして用意された点です。

 DragonFly BSD 5.0

図 DragonFly BSD 5.0

DragonFly BSD 5.0における主な変更点は次のとおりです。

  • HAMMER2ファイルシステムがブート向けのファイルシステムとして使えるようになりました。ブートローダは/bootに対してUFSおよびHAMMER2の双方をサポートすることになります。ただし,今回導入されたHAMMER2はまだ実験段階とされており,プロダクションユースでは使わないようにとされています。また,現段階ではいくつかの理由からインストーラでHAMMER2インストールを選択しても/bootパーティションにはUFSが使われるとしています。今回使えるようになったHAMMER2がサポートするのはライブ重複排除機能,圧縮機能,高速リカバリ機能,スナップショット機能,ブート機能などです。シングルイメージのHAMMER2のみがサポートされており,マルチボリューム機能やクラスタリング機能はまだサポートされていません。今回のバージョンではクラスタリングではないシングルイメージのみでの利用となります。
  • IPFWを最新版へアップデート。パフォーマンスも向上
  • i925ドライバをLinuxカーネルバージョン4.7.10相当へアップグレード
  • ハイブリッドグラフィックシステムにおいてIntel GPUを利用するためにvga_switcheroo(4)モジュールを追加
  • Intel/NVIDIAおよびIntel/Radeon構成のMacBookで利用できるように新しくなったapple_gmuxドライバの導入
  • efisetup(8)の追加
  • シングルマシンにおけるサポートプロセス数を900,000以上まで拡張

DragonFly BSDは今でもGCCをベースのコンパイラとして採用(GCC 4.7)していますが,今回のバージョンには初期段階ながらベースコンパイラをLLVM Clangへ入れ替えるためのフレームワークが追加されています。今後のリリースのどこかの段階でClangをシステムコンパイラとして利用できるようになるものとみられます。

DragonFly BSDプロジェクトは2017年11月6日になってから細かい修正を加えたマイナーリリースバージョン「DragonFly BSD 5.0.1」を公開しました。これはリリース後に発見されたバグの修正やクリーンナップを目的としたもので,initrdにHAMMER2サポートなども追加されています。

DragonFly BSDはほかの*BSDプロジェクトと比較すると規模が小さく,さまざまな機能をほかの*BSDからインポートしつつ,DragonFly BSDとしてこだわりたい部分の開発に開発リソースを集中させているように見えます。特に新しいファイルシステムであるHAMMER2の開発は注目されるところです。今回のバージョンで実験的ながらもHAMMER2が起動対象として利用できるようになったことは興味深いところです。

現在,*BSDではファイルシステムはUFS2かZFSかといったところがあります。HAMMERS2はどちらかというとZFSに近いものですが,想定しているものがクラスタリングなどより分散環境での利用を狙っています。活発に開発されている複数の選択肢があることは将来に対してよい状態です。今後もDragonFly BSD回りでおもしろいリリースがあったときには取り上げていこうと思います。

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