Ubuntu Weekly Recipe

第534回 LibreOffice 6.1 WriterのEPUBエクスポート機能を使用する

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今回はLibreOffice 6.1 WriterのEPUBエクスポート機能を使用して,EPUBファイルを作成します。

LibreOffice WriterとEPUBエクスポート

LibreOffice WriterのEPUBエクスポート機能は,Ubuntu 18.04 LTSにインストールされている※1LibreOffice 6.0からの新機能です。とはいえその6.0では全く使い物になりませんでした図1)⁠しかし6.1ではかなり開発が進んで実用レベルに達したので,今回ここで紹介します。

※1
ただしインストール時に最小インストールを選択していない場合ですが。

図1 LibreOffice 6.0のEPUBエクスポートダイアログ

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EPUBは電子書籍のフォーマットです。Gihyo Digital Publishingでもこの形式のフォーマットで販売されている書籍もあり,おそらくおなじみではなかろうかと思います※2)⁠EPUBのいいところはレイアウトを固定せず,さまざまなディスプレイで読みやすく表示できることでしょう。

※2
筆者らが発行している同人誌もEPUB形式とPDF形式を同梱して頒布しています。

EPUBはオープンなフォーマットなので,さまざまな作成ツールがありますが,LibreOffice Writerの既存のファイルをEPUB形式にエクスポートできると,いろいろと便利な場面もあるでしょう。

なお,LibreOffice 6.1全般の変更点についてはSoftware Design 2018年9月号のUbuntu Monthly Report 第100回に掲載されています。こちらもよろしくお願いします。

使用するLibreOffice

第507回でも紹介したように,LibreOfficeの最新版を使う方法はいろいろとあります。その回で説明されていることはおおむね6.1でも同じですが※3)⁠今回はほぼ実用レベルに達したSnapパッケージ版※4を使用することにしましょう。もちろん他の方法でも構いません。

※3
例えばFlatpakパッケージのダウンロードは以前と比べてずいぶん早くなったなどの違いがあります。
※4
筆者が考えるSnapパッケージ版LibreOfficeの問題は,Windowsのファイル共有にあるファイルにアクセスできないことくらいです。

Snapパッケージ版LibreOfficeを端末からインストールする場合は,次のコマンドを実行してください。

$ sudo snap install libreoffice

Ubuntuソフトウェアからのインストールももちろん可能です。

あまりオススメしませんが,インストールされているLibreOfficeを削除する場合は次のコマンドを実行してください。

$ sudo apt purge libreoffice-*

EPUB化しやすいドキュメント

EPUBというフォーマットの性質上,第445回で取り上げたような構造化されたドキュメントが,EPUB形式にエクスポートしたときに見やすいドキュメントになります。実際にはWriterのすべての機能がEPUBエクスポートに対応しているわけではないため,極力シンプルにしたほうがいいです。見出しをつけるのは必須として,あとは最低限に絞るのがいいでしょう。

1ページ毎に違う内容のものが一つにまとまっているようなドキュメント※5も,そこまで突き抜ければ向いていることになります。理由は後述します。

※5
それがどんなドキュメントかはわかりませんが。

各種プロパティ

EPUBにはメタデータとしてさまざまな内容を埋め込むことができます。たいていは次項で説明するEPUBエクスポートダイアログで指定しますが,デフォルト値として埋め込みたい場合の設定方法を説明します。

EPUBの「作者」は,EPUBエクスポート的にはドキュメント作成時点のユーザー情報のようで,⁠ツール」⁠-⁠オプション」⁠-⁠LibreOffice」⁠-⁠ユーザーデータ」「姓/名/イニシャル」が該当します図2)⁠あくまでドキュメント作成時点なので,更新したのが別のユーザーであっても反映されません。

図2 ユーザーデータに姓名を入力する

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「ファイル」⁠-⁠プロパティ」「説明」タブにある「タイトル」も使用されます図3)⁠

図3 ⁠タイトル」にタイトルを入力する

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また,メタデータとはすこし違うのですが,⁠フォント」タブの「ドキュメントにフォントを埋め込む」にチェックを入れてEPUB形式にエクスポートすると,EPUBでもフォントが埋め込まれます図4)⁠ただし文字どおりファイルサイズの桁が変わってしまうので,フォントの埋め込みは慎重に行ってください。

図4 フォントを埋め込むこともできる

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著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバーで,主として日本語入力関連を担当する。特定非営利活動法人OpenOffice.org日本ユーザー会。LibreOffice日本語チーム。ほか,原稿執筆も少々。