Ubuntu Weekly Recipe

第547回 Amazon LightsailでUbuntuサーバーを構築する

この記事を読むのに必要な時間:およそ 4 分

誰もが持っている自分用サーバー。自宅内で鼻毛を生やすのが流行ったのも今は昔。置き場所,電気代,ネットワークといったことを考えると,インターネット上にVPSをレンタルするのが昨今のスタンダードではないでしょうか。今回はAWSのサービスのひとつであるLightsailを使ってUbuntuサーバーを立ててみましょう。

Lightsailとは

LightsailはAmazon Web Service(AWS)のサービスのひとつです。Amazon EC2がいわゆる「クラウド」のコンピューティングインスタンスを起動するサービスであるのに対し,LightsailはVPSを構築するためのサービスになります。

クラウドとVPSの違いは色々ありますが,単なるサーバーとして見た場合の違いは「コスト感」「運用の手軽さ」ではないでしょうか。クラウドのインスタンスはすばやく増減が可能な反面,時間あたりの単価が割高で,さらに従量課金制で最大コストが読みにくいという問題があります。VPSは月額いくらの契約で時間単価は安いものの,台数の増減がしづらかったり,また契約時に初期費用がかかる場合もあります。

LightsailはEC2と同じような感覚で使えるVPSサービスです。時間単位で課金され,かつ初期費用もかからないため,EC2と同様に「ちょっと試しに使ってすぐ捨てる」が気軽にできます。それにくわえてプランごとの月額上限価格も設定されているため,24時間365日がっつり利用しても,決まった以上にはコストがかからない※1※2というVPSならではの安心感もあります。このような理由から,これからVPSを立てるのであれば第一候補に上がるサービスではないかと筆者は考えています※3※4)⁠

※1
これはインスタンス料金のみの話です。データ転送料金が転送量に応じて別途課金されます。
※2
とはいえ最も安価なプランでも月あたり1TBまでの無料転送枠があるため,事実上ほぼノーコストと考えてよいでしょう。
※3
2018年の夏に,大幅な値下げがあったのもポイントです。もっとも安いプランであれば,月あたり3.5ドルでVPSを持つことができます。
※4
ちなみに筆者は322回で紹介したようにさくらのVPSを愛用していましたが,ここが手狭になったため,最近Lightsailのサーバーを一台追加し,並行稼動させています。

インスタンスを作る

それでは早速VPSのインスタンスを作りましょう。まずはAWSコンソールにログインして,サービスからLightsailのダッシュボードを開きます。

図1 ⁠サービス」⁠⁠コンピューティング」⁠⁠Lightsail」を選択する

画像

「インスタンスの作成」をクリックしてください。インスタンス作成画面では,インスタンスを起動するロケーションやベースとなるイメージ,インスタンスのサイズなどを設定します。

図2 Lightsailのダッシュボードには稼働中のインスタンスの一覧が表示される。初期状態では当然何も表示されないので「インスタンスの作成」からインスタンスを作成する

画像

まずはロケーションですが,東京を選択しましょう。アベイラビリティゾーン(AZ)はA,C,Dの3つの中から選択できますが,どこを選択しても構いません※5)⁠

※5
AWSは世界各地にあるリージョン(オレゴン,バージニア,東京など)によってホストされています。各リージョンは複数の独立したアベイラビリティゾーン(AZ)によって構成されており,AZをまたいでサービスを構成することで,サービスの可用性を高めることができます。ここで重要なのは,AZは各アカウントに個別にマップされるという点です。つまりあるアカウントから見たゾーンAと,別のアカウントから見たゾーンAは同一のAZではない可能性があります。そのため,ここで「どのAZに配置するか」を気にする必要はありません。

図3 インスタンスロケーションを選択する。日本から使うのであれば東京を選択するとよい

画像

続いてインスタンスイメージの選択です。当然ですがプラットフォームはLinuxを選択します。ベースとなるイメージは,様々なアプリがプリインストールされている「アプリ+OS」と,⁠OSのみ」が用意されています。今回はプレーンなUbuntu 18.04 LTSから自分でサーバーを構築していきたいので「OSのみ」⁠⁠Ubuntu 18.04 LTS」を選択してください。

図4 インスタンスイメージの選択。⁠アプリ+OS」にはWordPressやGitLab,Redmineなどがインストール済みのイメージも用意されているため,これらのサービスを素早く立ち上げたい場合に便利だ

画像

「起動スクリプトの追加」をクリックすると,インスタンスの初回起動時にroot権限で実行されるスクリプトを設定できます。初回起動時に自動で行いたい初期化処理を記述するのに適しています。

作成したインスタンスへは,SSHでログインして操作を行うことになります。この際パスワードログインはできませんので,インスタンス作成時にSSH公開鍵を送り込む必要があります。⁠SSHキーペアの変更」をクリックして,SSHキーペアマネージャーを表示させてください。デフォルトではLightsailが用意した鍵が使われるように設定されています。この鍵をそのまま使うのであれば,⁠ダウンロード」をクリックして秘密鍵を手元のPCにダウンロードしてください。⁠多くの場合そうであると思いますが)普段自分が使っている鍵を使いたい場合は,⁠今すぐアップロード」をクリックして,公開鍵ファイルをアップロードしてください。

図5 SSHキーペアマネージャーでインスタンスへのログインに使う鍵を選択する。これは筆者が普段使っている鍵をアップロードした状態

画像

最後にインスタンスプランを選択します。料金とスペックを比較して,お好みのプランを選択してください。最小の512MBプランは750時間まで無料で使えるので,これを利用してみるのもよいでしょう。なおこの無料期間は,1台のインスタンスを750時間使うだけでなく,10台のインスタンスを75時間使うような使い方もできます。

図6 インスタンスプランの選択と名前の指定。プランはアップグレードできるがダウングレードはできないため,最初は小さめのプランから試すとよい

画像

最後にインスタンスの名前を入力して「インスタンスの作成」をクリックします。これでインスタンスが起動します。

著者プロフィール

水野源(みずのはじめ)

Ubuntu Japanese Teamメンバー。理想のフリーデスクトップ環境を求めて東へ西へ……のはずが,気がついたら北の大地で就職していたインフラ寄りのエンジニア。最近レンズ沼にハマる。

コメント

コメントの記入