Ubuntu Weekly Recipe

第552回 デスクトップ環境の2018-2019年

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

Xfce

Xfceは次の安定版である4.14がいつリリースされるのかがここ数年のトピックですが,Xubuntu Development Update November 2018によると10月末現在で83%の進捗率とのことです。またXfce & Xubuntu 2018 Year In Reviewによると今年中には4.14がリリースされるのかもしれません。

翻訳

Xfaceの翻訳はTranslationによると,Transifexで行われています。筆者の主観ですが,現状Xfceの翻訳状況は,記事中で紹介したデスクトップ環境の中では一番いいです。

LXQt

LXQtといえば,第542回で紹介したようにLubuntuが18.10からLXDEからLXQtに移行しました。

開発はゆっくりながらも着実に進んでいます。少なくとも機能的にはおおむね完成していると見ていいので,このくらいのリリースペースでいいのかもしれません。開発サイクルが早く,変化が大きいデスクトップ環境を使用したいのであれば,GNOMEやKDEを選択したほうがよく,LXQtを選択するユーザーはあまり変化を求めていないのではないか,という筆者の独断と偏見によるものであることはお断りしておきます。

翻訳

LXQtの翻訳はWikiによると,Weblateを使用しています。Weblateは筆者が知る限り最も簡単に翻訳を開始できるWebサービスです。ユーザー登録なしでも提案はでき,ユーザー登録すると保存(確定)できます。ユーザー登録もGitHubを経由することにより,簡単に行なえます。もちろん自分の責任によって翻訳が反映されてしまうということではありますが,誰がどう考えてもそうとしか訳せないものも多数ありますので,気軽に挑戦してみてはいかがでしょうか。

MATE

MATEは昨年2月に1.20がリリースされ,現在は1.22の開発中です。ロードマップも公開されていますが,Python3に移行することを除けばあまり大きな変化はありません。⁠Future releases」には大きな変更案が見られるので,いくつか実装されたら面白いのですが。

MATEもその成り立ち上変化を好むユーザー向けではなく,また内部的には古い部分もあったものの,大きな改修はおおむね終わったように見えます。とはいえぼちぼちGTK+4サポートも考えるべき時期に来ているように思いますし,また「Future releases」にある「AccountService」のサポートは,GNOMEのほかKDEやCinnamonでもできているので,未対応であることにより見劣りするのは事実です。この先どのような方針を取るのか,舵取りが必要そうです。

翻訳

MATEの翻訳はTransifexで行われています。ログイン後参加リクエストを出し,コーディネーターが承認すると翻訳できるようになります。特定のアプリケーションのみですが,筆者も翻訳に参加しています。

Budgieデスクトップ

Budgieデスクトップは厳密にはデスクトップ環境ではありませんが,昨年大きな体制の変更があったことと,UbuntuフレーバーのUbuntu Budgieがリリースされていることから,ここで紹介します。

前提知識として,BudgieデスクトップはSolusというLinuxディストリビューション用に開発が始まりました。その後プロジェクトが分離したものの,昨年5月からは再びSolusプロジェクトに合流しています。これも体制の変更の一つといえます。

より大きな体制の変更について,詳しくは該当のブログエントリこれだと長すぎる場合は概要であるGitHubのBudgie-desktopページを見てください。要するにSolusプロジェクト(兼Budgieデスクトップ)創始者がプロジェクトから脱退したのはいいものの,スムーズに各種権限の移譲が行われたわけではないので,かなり混乱した状態になりました。もちろん現在はおおむね正常化し,そのまとめとして該当のブログエントリが公開されました。

Budgieデスクトップの最新版は本記事の公開時点で10.4であり,現在10.5を開発中です。遠からずリリースされるものと思われますが,次のメジャーバージョンアップ版である11からはGTK+4に移行する見込みです。当初はQt5への移行を宣言していましたが,その宣言していた当人がプロジェクトから脱退したため,方針を見直すことになったのです。

翻訳

Budgieの翻訳は現在Transifexで行われていますが,プロジェクト創始者兼Transifexコーディネーターが不在のため,いずれは変更されるものと思われます。現在の翻訳は諸般の事情で筆者によって一から行われたものですが,これを機に今後筆者によるBudgieデスクトップの翻訳を行わなくなるかもしれません。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese TeamとLibreOffice日本語チームのメンバー。LibreOffice,VirtualBox,Joplin,Budgieデスクトップなどの翻訳を手がける。技術同人サークルteam zpn主宰。ほか原稿執筆を少々。

コメント

コメントの記入