Ubuntu Weekly Recipe

第554回 Athlon 200GEで低価格コンパクトPCを構築する

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BIOSバージョン5.30以降とUbuntu 18.04.1 LTS

ようやくUbuntuの話になりますが,Ubuntu 18.04.1 LTS(カーネルバージョン4.15)のままBIOSバージョン5.30にアップデートすると,Ubuntuが起動しなくなります。18.10(カーネルバージョン4.18)だと問題ありません。

BIOSバージョン5.30がリリースされたのは12月末なので,購入時点で5.30になっているマザーボードが出回るのはもう少し先なので心配はいらないと思います。もし購入時点で5.30になっていて,かつUbuntu 18.04.1 LTSを使用したい場合はBIOSのバージョンを下げることを検討してください。18.10やこの2月にリリース予定の18.04.2を使用する場合は,5.30で問題ありません。また18.04.1で5.30を使用したい場合は,カーネルのバージョンだけ上げるという手があります。次のコマンドを実行してください。

$ sudo apt install linux-generic-hwe-18.04

ちなみにBIOSバージョン5.30にアップデートする意味はあまりありません。Athlon 200GEのオーバークロックができるようになったと評判になったバージョンですが,そもそもチップセットのA320はオーバークロックに対応していません。

Ubuntuインストール前のBIOS設定

話を少し戻して,組み立て後Ubuntuのインストール前にしておいたほうがいいBIOSの設定変更箇所を取り上げます。

まず,そのままブートするとレガシーブートになってしまい,UEFIブートができません。それでも大きな問題はないのですが,UEFIブートにしたい場合は「Boot」タブで「CSM」「Disable」にしましょう図1)⁠

図1 UEIFブートを有効にするには「CSM」「Disable」にする

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また8GBという限られたメモリの中で1GBがGPUに割り当てられるので,これを減らしたい場合は「Advanced」⁠-⁠AMD CBS」⁠-⁠NBIO Common Options」⁠-⁠GFX Configration」図2を参考に変更してください。続けて「OC Tweaker」「CPU Frequency and Voltage(VID) Change」「Auto by AMD CBS」に変更し,保存して再起動してください図3ASRockによる解説)⁠

メモリの割り当てが変更できたかどうかはUbuntuを起動し,⁠設定」⁠-⁠About」で確認できます図4図5)⁠

図2 ⁠Integrated Graphics Controller」「Forces」に,⁠UMA Mode」「UMA_SPECIFIED」に,⁠UMA Frame buffer Size」を1GBよりも減らす(例では512MB)

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図3 ⁠CPU Frequency and Voltage(VID) Change」「Auto by AMD CBS」に変更する

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図4 メモリの割り当て量を減らす前は6.8GiB認識している

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図5 メモリの割り当て量を減らすと7.3GiB

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CPUとSSDのベンチマーク

Ubuntu 18.04.1のインストールが完了したとして,CPUとSSDのベンチマークを計測してみましょう。

CPUのベンチマークは相変わらずLibreOfficeのビルドで,パッケージになっている6.0.7をビルドしてみました。図6がその結果です。これだけだと速いか遅いかわからないので,比較としてRyzen 5 1600でビルドしてみた結果が図7です。

図6 Athlon 200GEでLibreOffice 6.0.7をビルドすると約212分かかった

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図7 Ryzen 5 1600でLibreOffice 6.0.7をビルドすると約83分かかった

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NVMe SSDは,Athlon 200GEの制限によって速度が下がる(PCI Express Gen3 x2の速度になる)解説されていますが,実のところはどうなのか「Disks」で速度を測ってみました。その結果は図8です。ほぼ公称値どおりで,遅くなる心配はしなくていいでしょう。

図8 WDS500G2X0Cはシーケンシャルで読み込み3GB/s,書き込み1.6GBなので,ほぼそのとおりの速度が出ている

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消費電力

ワットチェッカーで消費電力を計測してみると,アイドル時は23ワット前後,高負荷時は43ワット前後でした。ほかに直接比較になるPCを所有していないのでなんとも言えませんが,CPUのTDPが32ワットであることを考えるとこんなものではないでしょうか。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese TeamとLibreOffice日本語チームのメンバー。LibreOffice,VirtualBox,Joplin,Budgieデスクトップなどの翻訳を手がける。技術同人サークルteam zpn主宰。ほか原稿執筆を少々。

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