Ubuntu Weekly Recipe

第569回 LibreOffice 6.2.xの変更点

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今回は変則的にLibreOffice 6.2.xの変更点について紹介します。活発に開発されているLibreOfficeはマイナーバージョンアップでも仕様が変更されることがあり,最近の新元号対応,Qt/KDE5,OpenJDKについてお知らせします。最後にはカンファレンスの案内もあります。

UbuntuとLibreOffice 6.2

まずUbuntuでLibreOffice 6.2を使用する方法ですが,19.04には6.2.2があらかじめインストールされています。近日中にStable Release Update(SRU)のプロセスを経て6.2.3にアップデートされる見込みです(本記事公開時点)⁠

Snapパッケージ版のLibreOfficeはこれほど厳密なルールはなく,よりスピーディに最新版が使用できるようになります。第567回で既報のとおり,すでに6.2.3にアップデートしています。ただし相変わらずWindowsのファイル共有(Sambaを含む)経由でのファイルのアクセスはできません

Flatpak版にはこういった制限はありません※1)⁠

※1
過去に不具合でアクセスできなくなることはありました

令和対応

新元号である令和への対応も,第567回で既報のとおり6.2.3で行われています。第567回ではCalcで和暦を表示したところが紹介されていますが※2)⁠Writerだと「挿入」⁠-⁠フィールド」⁠-⁠他のフィールド」「ドキュメント」タブの「フィールドタイプ」「日付」にし,⁠書式」を変更することによって和暦で挿入できます図1)⁠

※2
もっともこれは最初に紹介した筆者が悪いような気がしています。フィールドの挿入は地味な機能ですし……。

図1 ⁠フィールド」の日付も和暦で挿入できる

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Qt/KDE5サポートの変遷

Qt/KDE5のサポートに関する詳細は新春特別企画 LibreOfficeの2018年振り返りと2019年をご覧いただきたいのですが,6.1からVCLプラグインにQt/KDE5向けのgtk3_kde5が,6.2からqt5とkde5が追加されました。

問題はデフォルトでビルドされるかどうかです。6.1ではgtk3_kde5がデフォルトでビルドされていたものの,6.2ではqt5/kde5がデフォルトでビルドされるようになり,gtk3_kde5は外されてしまいました。もちろんソースコード上は残っているため,自分でビルドすれば問題とはなりませんが,LibreOfficeを自力でビルドするのはなかなかに骨が折れます※3)⁠

※3
ちなみに筆者のRyzen 1600(6コア12スレッド)PCでは2時間かかるので,もう少し速いCPUが欲しいなと思っています。

qt5/kde5のVCLプラグインには多数の問題が見つかっており,今月末で6.1のサポートが切れることによってqt5/kde5がデフォルトのままでいいのか?という問題提起がされました。結果,qt5/kde5はデフォルトのままにするがgtk3_kde5 VCLプラグインもデフォルトでビルドする方針になりました。

Ubuntuで使用できるLibreOfficeにどのような変化が起こるのかは現時点では不明ですが,必要な場合はバグ報告でgtk3_kde5 VCLプラグインを有効にできるかどうか掛け合ってみてください。

余談ですが『新春特別企画』で言及したqt5/kde5のVCLプラグインの不具合である文節の区切りがわからないという問題は,6.3で解決されます図2)⁠

図2 gitのmasterをビルドし,動作確認したところ

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著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese TeamとLibreOffice日本語チームのメンバー。LibreOffice,VirtualBox,Joplin,Budgieデスクトップなどの翻訳を手がける。技術同人サークルteam zpn主宰。ほか原稿執筆を少々。