Ubuntu Weekly Recipe

第576回 GPD MicroPCにUbuntuをインストールする

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GPD MicroPCにおけるUbuntuの使い方

Ubuntuそのものの使い方は,GPD MicroPCでも違いはありません。端末やブラウザー(Firefox)を起動したり,Ubuntuソフトウェアやaptコマンドでパッケージをインストールするなど,普通のPCとして使用できます。第543回第544回の設定も参照してください。

日本語入力IBus/Mozcを使います。英語キーボードなので,⁠Ctrl+Space」で日本語入力をオンオフできるよう設定が必要です。

まずはシステム設定の「地域と言語」を開きます。⁠入力ソース」の設定は好みが分かれるところですが,日本語入力の割合が多いなら,⁠日本語 (Mozc)」を一番上に持ってきておくと良いでしょう。⁠英語 (US)」を消してしまってもかまいません。ここにリストアップされているものは,Super + Spaceで切り替えられます。

図4 日本語 (Mozc)を一番上にする

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次に「インストール冴えている言語の管理」を選択します。初回起動時は「言語サポートが完全にはインストールされていません」と表示されるので「インストール」を押してパッケージをインストールしておきましょう。インストールが完了したら「閉じる」を押しておいてください。

図5 初回起動時は未インストールのパッケージのインストールが促される

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ここまでできたら,一度ログアウトしてからログインしなおします。画面右上のキーボードインジケーターが「A」もしくは「あ」になっているので,それをクリックし,⁠ツール」「プロパティ」を選択します。

図6 Mozcプロパティ

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「キー設定の選択」から「編集」を押し,現れたダイアログの「入力キー」でソートします。このうち「Hankaku/Zenkaku」になっているものをゆっくりと3回クリックして「Mozcキーバインディング設定」ダイアログを表示し,好みのキー入力(たとえばCtrl + Spaceなど)に変更してください。

図7 Mozcキー設定で「Hankaku/Zenkaku」を順に変更していく

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最後に「Mozcキー設定」ダイアログと「Mozcプロパティ」ウィンドウのそれぞれで「OK」を押して,設定を反映します。もう一度ログアウトして,ログインし直したら設定の反映が完了です。

ハードウェアの構成

GPD MicroPCのスペックは前掲の通りですが,Ubuntu側からはどのように見えているでしょうか。第522回第543回のように,lshwの簡易出力を取得してみましょう。

$ sudo lshw -short
H/W path               デバイス  クラス      詳細
==========================================================
                                     system         MicroPC (Default string)
/0                                   bus            Default string
/0/0                                 memory         64KiB BIOS
/0/23                                memory         8GiB システムメモリー
/0/23/0                              memory         4GiB DIMM LPDDR4 同期 2133 MHz (0.5 ns)
/0/23/1                              memory         4GiB DIMM LPDDR4 同期 2133 MHz (0.5 ns)
/0/2e                                memory         224KiB L1 キャッシュ
/0/2f                                memory         4MiB L2 キャッシュ
/0/30                                processor      Intel(R) Celeron(R) N4100 CPU @ 1.10GHz
/0/100                               bridge         Intel Corporation
/0/100/0.1                           generic        Intel Corporation
/0/100/2                             display        Intel Corporation
/0/100/e                             multimedia     Intel Corporation
/0/100/f                             communication  Intel Corporation
/0/100/12                            storage        Intel Corporation
/0/100/13                            bridge         Intel Corporation
/0/100/13/0            wlp1s0        network        Wireless 3165
/0/100/13.2                          bridge         Intel Corporation
/0/100/13.2/0          eno1          network        RTL8111/8168/8411 PCI Express Gigabit Ethernet Controller
/0/100/15                            bus            Intel Corporation
/0/100/15/0            usb1          bus            xHCI Host Controller
/0/100/15/0/3                        input          USB KEYBOARD
/0/100/15/0/4                        communication  Bluetooth無線インターフェース
/0/100/15/1            usb2          bus            xHCI Host Controller
/0/100/15/1/1          scsi2         storage        USB3.0-CRW
/0/100/15/1/1/0.0.0    /dev/sdb      disk           SD/MMC
/0/100/15/1/1/0.0.0/0  /dev/sdb      disk
/0/100/16                            generic        Intel Corporation
/0/100/16.1                          generic        Intel Corporation
/0/100/16.2                          generic        Intel Corporation
/0/100/16.3                          generic        Intel Corporation
/0/100/17                            generic        Intel Corporation
/0/100/17.1                          generic        Intel Corporation
/0/100/17.2                          generic        Intel Corporation
/0/100/17.3                          generic        Intel Corporation
/0/100/18                            generic        Intel Corporation
/0/100/18.1                          generic        Intel Corporation
/0/100/18.2                          generic        Intel Corporation
/0/100/18.3                          generic        Intel Corporation
/0/100/19                            generic        Intel Corporation
/0/100/19.1                          generic        Intel Corporation
/0/100/19.2                          generic        Intel Corporation
/0/100/1c                            generic        Intel Corporation
/0/100/1f                            bridge         Intel Corporation
/0/100/1f.1                          bus            Intel Corporation
/0/1                   scsi0         storage
/0/1/0.0.0             /dev/sda      disk           128GB BIWIN SSD
/0/1/0.0.0/1                         volume         511MiB Windows FAT ボリューム
/0/1/0.0.0/2           /dev/sda2     volume         118GiB EXT4ボリューム

GPD Pocketに比べてデバイスの数が増えているように見えるのは,I2C/UART/SPIコントローラーなどが有効化されているためです。

例のごとくdmesgcpuinfoの結果などは次のURLにアップロードしてあります。

ちなみにGPD Pocketのときと異なり,Wi-Fi/Bluetoothを使うにあたってファームウェアの追加インストールは不要です。

外部ディスプレイの利用

GPD MicroPCには外部ディスプレイ接続端子として,Micro HDMIとUSB Type-C(DisplayPort Alt Mode対応)が用意されています。

カーネルが新しくなったからか,第543回のときと状況が異なり,USB Type-C経由のDisplayPortもつながるようになりました。もちろんサウンドの出力も可能です。

HDMI端子も,普通のHDMIケーブルでかまいません。また,4Kまで出力できました。

図8 1280x720に比べると広大な4K空間

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ちなみにGPD MicroPCのグラフィックスコントローラーはVAAPIに対応しています。第532回と同様にVAAPI対応のソフトウェアをインストールすれば,ハードウェアエンコード・デコードが可能になります。

シリアルコンソールの利用

MicroPCの特徴と言えば,なんといっても最近のPCでは特定のモデル以外とんとご無沙汰なEIA-574コネクタが載っていることです。

まずはシリアルコンソールアプリケーションをインストールしましょう。minicomやC-Kermit(のGPL版のG-Kermit)など必要に応じてインストールすると良いでしょう。ちなみにUbuntu 19.04からckermitパッケージは削除されました。ここではscreenを使うことにしましょう。

$ sudo apt install screen

背面のシリアルコンソールポートは/dev/ttyS1として認識されています。

$ dmesg | grep -A1 "8250/16550"
[    2.214416] Serial: 8250/16550 driver, 32 ports, IRQ sharing enabled
[    2.239606] 00:02: ttyS1 at I/O 0x2f8 (irq = 3, base_baud = 115200) is a 16550A

よってシリアルコンソールケーブルを接続したら,次のようにして通信が可能になります。

$ sudo screen /dev/ttyS1 115200

第555回でも説明しているように,シリアルコンソールデバイスはdialoutグループに属しています。よってsudoを使ってアクセスしているのですが,毎回sudoを打つのが面倒なら第555回のようにユーザーをdialoutグループに所属させてください。

なお,screenは「Ctrl-a k」で終了できます。これは「現在開いているウィンドウを閉じる」キーバインディングです。

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社 創夢所属。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。