新春特別企画

プロ生ちゃんが聞く! 2015年のプログラミング言語動向

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Scala

慧 次はScala! みんなはScala使ってる? ライブラリScalazなどのコミッター,xuwei_kさんにお話を聞いてみよう。

Scalaの2014年はどんな年でした?

去年のScalaの動向について教えてください!

xuwei_k 4月に2.11というメジャーバージョンがリリースされました。次に計画されている2.12もそうですが,今までに比べて,言語機能の追加よりも安定性に重点が置かれるようになっています。

ユーザーが増えて,安定性が重視されているのかな。

xuwei_k また,国内ではScala祭というカンファレンスが開催されました。スタッフや発表者含めると400人超の大規模なイベントでしたが,チケットも完売し,大盛況のうちに終了しました。

Scala祭の発表者やスポンサーを見てもらうとわかりますが,2013年よりも国内でもScalaを使っているという企業が確実に増えてきていて,本格的に実用的な言語としての地位を確立してきている印象があります。

Scalaで開発したっていうニュースも結構見かけるようになったよね。

Scalaの2015年を教えてください!

今年のScalaのトピックは何かありますか?

xuwei_k Scalaの言語自体に関しては,2014年半ばに今後のロードマップが発表されています。

2015年のうちは,次期バージョンの2.12の開発に注力して,最終的に2.12の安定版が出るのは2016年以降になる予定です。

2.12では色々な機能追加,改善が予定されていますが,個人的に一番気になるのは,Java 8に関連する部分ですね。

Java 8に関する部分?

xuwei_k 2.12からJava 8以上を要求して,invokedynamic命令などの機能を使うようになり,パフォーマンスの向上や,バイナリサイズの削減など様々なメリットがあります。

ふむふむ。これからどんどん盛り上がりそうだね。

xuwei_k ええ。Scalaのユーザー数,今後Scalaを使う企業数については,この勢いのまま今後もしばらく増え続けると思うので,興味を持った人は2015年こそ,ぜひScalaをはじめてみるといいと思います。

ありがとうございました!

@xuwei_k

某社でScala,Playframework,Akkaなどを使って仕事をしている。

ScalazやScalikejdbcなどのいくつかの有名ライブラリのコミッターでもある。暇さえあればひたすら色々なScalaのライブラリの動向を観察したり,pull requestをするのが日課。

Twitter:@xuwei_k

Haskell

慧 次は,関数言語つながりでHaskellだよ。Haskellとネットワークプログラミングが得意な山本和彦さんに聞いてみよう! プログラミングHaskellHaskellによる並列・並行プログラミングの翻訳もされているんだよ。

Haskellの2014年はどんな年でした?

Haskellの2014年を教えてください!

山本 一言でいうと「並列並行」の年でした。

並列平行?

山本 Haskellの主要コンパイラーは,GHC(Glasgow Haskell Compiler)といいます。GHCには,マルチコア環境に適した軽量スレッドのスケジューラやメモリ割当の仕組みが作られていたのですが,入出力周りがボトルネックとなり,性能が出ませんでした。

2014年4月にリリースされたGHC 7.8ではこれが解消され,30コアぐらいまで並行プログラムがスケールするようになりました。

また,国内では,Haskellの並列並行本が訳され出版されました。最新の並列並行技術が分かりやすく解説されています。

30コア! 並列並行以外は,何かありますか?

山本 依存ライブラリ地獄がほぼ解決されたことが大きいでしょう。

地獄…!?

山本 Haskellコミュニティには,小さなライブラリを作って再利用するという文化があり,プログラムが依存するライブラリの数が多くなるのが一般的です。

そのため,あるプログラムと別のプログラムが要求するライブラリの依存関係に矛盾が起きやすくなり,プログラムをインストールできなくなることが頻繁に起こっていました。これが依存ライブラリ地獄です。

2014年は,サンドボックスの機能が付いたライブラリ管理コマンドが普及したおかげで,この問題がほとんどなくりました。

たいへんだったんだね。でも解決してよかった~。

Haskellの2015年を教えてください!

最後に,今年はどんな年になりそうですか?

山本 新しいライブラリ管理コマンドでは,依存ライブラリのバージョンを固定するfreeze機能が提供されます。これはHaskellでプロダクトを作っている人たちに大きな安心感を与えることでしょう。2015年は,Haskellがもっと現場で使われるようになることを願っています。

さらに救われるね! ありがとうございました。

山本和彦

IIJイノベーションインスティテュートに勤務。Haskellを使ったネットワークプログラミングを得意とする。ここ一年は,HTTP/2の研究に従事。三人の子供の世話に追われる毎日を送っている。

Twitter:@kazu_yamamoto

著者プロフィール

暮井 慧(プロ生ちゃん)

都内の公立高校に通う女子高生。部活は,情報処理研究会。身体を動かすのも好きで,気が向いたときはなぜか体育会系の部活に混ぜてもらっていろんなスポーツをすることも。IT・開発系コミュニティのプログラミング生放送のキャラクターとして活動中!

サイト:http://pronama.azurewebsites.net/pronama/
Twitter:@pronama