きたみりゅうじの聞かせて珍プレー

第138回 はけませんね~

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今から20年ほど前,とある病院に勤務していました。病院を新築移転するタイミングで,医師が注射や薬の処方,採血検査,レントゲンなどの指示オーダーをUNIXの端末から各部門に送信し,会計データにできる当時最新のオーダリングシステムを導入することにしていました。私はいくらかITに詳しいということで,そのシステム保守管理をすることになっていました。

稼働直前になってオーダリングシステムを納入した大手ベンダーから,システム障害対応のために,ベンダーの関連会社のシステムに習熟しているプロのシステム管理者を常駐させないと困ると言われ,ウン千万円の委託料で常駐させることに。もちろん大手ベンダーから推されるくらいの方だからスキルはすごいんだろうなと期待しておりました。

新病院が開院して障害はすぐに起きました。指示オーダーがSQLサーバでデータベースに取込めず,どんどんデータが滞留して捌(は)けない障害が起きたのです。

オーダーが流れないので院内の各部門からは問合わせの電話が私たちの部屋に殺到。その電話対応に四苦八苦している中,プロと言われた管理者がサーバの前に座ったのでSQLを駆使して障害対応に取り掛かると思いきや,近くの電話を取りベンダーの担当者に「SQLサーバでデータが捌(は)けないんです」連絡して終わりあとはベンダーがリモートで入って調べるのを見てるだけ。自分の給料のウン倍もの委託料で常駐してもらっているのに,それだけ……,

電話連絡だけなら私でもできる。外来の診療も会計もできず,院内は大混乱している中,電話対応もせずサーバの前で復旧までの数時間「捌(は)けませんね~」を繰り返しているだけ,このプロと言われた管理者の方には1年でお引取り願いその後自分だけでシステム管理をいたしました。

zukutare(男/64歳/その他事務職)

この温度差の中,その「プロ」の方はどんな気持ちでそこに座っていたのだろうかと想像したら,あまりのいたたまれなさで私の胃に穴が空きそうです…。

長年お付き合いいただいてきた本連載ですが,来年1月の更新をもって終了することになりました。あと残りわずかの間,どうか最後までお付き合いいただけますようお願いします!

※この連載は,最新記事を含めて5回分の公開になります。

著者プロフィール

きたみりゅうじ

もとは企業用システムの設計・開発,おまけに営業をなりわいとするなんでもありなプログラマ。本業のかたわらWeb上で連載していた4コマまんがをきっかけとして書籍のイラストや執筆を手がけることとなり,現在はフリーのライター&イラストレーターとして活動中。

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Twitter@kitajirushi