OSSデータベース取り取り時報

第2回 全国各地でのオープンソースデータベース関連イベントとRiakのご紹介

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第2回は代表的なオープンソースRDBMSであるMySQLとPostgreSQLの両方の講演が行われた全国各地でのイベントを中心に,2015年9月の出来事のご紹介とRiakのご紹介をしていきます。なお今回のRiakに関してはBashoジャパン株式会社の上西康太氏にご寄稿いただいた内容となっております。

全国各地でのオープンソースデータベース関連イベント

2015年9月は5日に大阪で開催された第1回 関西DB勉強会をはじめとして,北は北海道から南は沖縄までとまさに全国各地でオープンソースデータベースに関連したイベントが開催され,日本MySQLユーザ会PostgreSQLユーザ会の各地方支部ほか,関連するビジネスを行う企業などがセミナーでの講演を行いました。

イベント日付 イベント名
2015年9月5日(土) 第1回 関西DB勉強会(大阪市)
2015年9月10日(木)⁠11日(金) db tech showcase Sapporo 2015(札幌市)
2015年9月12日(土) Java Küche「RDB 最前線 2015」(沖縄県西原町)
2015年9月19日(土) オープンソースカンファレンス2015 広島(広島市)
2015年9月20日(日) 第11回 中国地方DB勉強会 in 広島(広島市)

いずれのイベントでも2015年8月にリリースされたMySQL 5.7.8 RC2(リリース候補版第2弾)PostgreSQL 9.5 Alpha 2をはじめとした最新の技術情報や実践的なノウハウなどが紹介されていました。また沖縄でJavaに限らず幅広い分野をカバーするオープンソースコミュニティJava Kücheの10周年イベントではPostgreSQL 9.6のロードマップがコミッタから紹介されるなど,充実したコンテンツが目白押しでした。

データベース部会設立記念セミナー講演資料公開

2015年8月28日(金)にOSSコンソーシアム データベース部会の設立を記念したセミナーでの講演資料を公開しております。RDBMSに限らない幅広いオープンソースデータベースの情報を調査し情報発信していくOSSコンソーシアム データベース部会への皆さまのご参加も併せてお待ちしております。

[MySQL]2015年9月の主な出来事

MySQLの次期メジャーバージョンのリリースに向けて2015年8月3日にMySQL 5.7.8 RC2(リリース候補版第2弾)をリリースしました。さらに2015年9月には,MySQLサーバの詳細な性能統計情報を取得できるパフォーマンススキーマを,SQLチューニングやパラメータチューニングのために役立つ情報として集計したSYSスキーマの新バージョン1.5.0がリリースされました。

また,より実験的な機能をいち早く多くの方にお試しいただきフィードバックを集めるためのMySQL Labs(実験室)にて,複数のユーティリティやツールをリリースしました。なおMySQL Labsで公開されているこれらのソフトウェアは本番環境での利用には向きませんのでご注意ください。

MySQL Router 2.0.1

MySQL Routerはレプリケーション構成やMySQL Utilitiesの一部であるMySQL Fabricを用いたシャーディング構成,MySQL Labsで開発途上版が公開されているMySQL Group Replicationプラグインを用いたマルチマスタ構成など,アプリケーションから複数のMySQLサーバに接続する環境でルータとして機能するソフトウェアです。単に接続を転送するだけではなく,障害発生時のレプリケーションのマスターからスレーブへの障害後の接続フェールオーバーやMySQL Fabricのシャーディング構成をキャッシュするプラグインが複数用意されており,環境に応じた接続制御が可能になっています。MySQL Routerの使い方については,MySQL開発チームのブログにて解説されています。

MySQL Binlog Events 1.0.1

MySQL Binlog Eventsはアプリケーションをレプリケーションのスレーブのように稼働させて,マスターをコミットされたトランザクションを受け取り,デコードしたデータをアプリケーション内で利用できるようにするためのC++のライブラリです。アプリケーションでMySQLのトランザクション内容を他のデータストアの形式に変換することで,異なったデータストア間でのレプリケーションも実現できる可能性も秘めています。

先月のイベントやセミナー,ユーザ会の活動のレポート

gihyo.jp新連載 「MySQL道普請便り」

本連載と同じくgihyo.jpにて,MySQLを使ったアプリ開発・運用に関するノウハウをご紹介していく新連載が2015年9月から始まっています。この連載では日本MySQLユーザ会などMySQLコミュニティのメンバーが執筆者となり,多彩なコンテンツが隔週で登場する予定となっています。

[PostgreSQL]2015年9月の主な出来事

PostgreSQLは次期メジャーバージョンのリリースに向けて2015年8月6日にPostgreSQL 9.5 Alpha 2がリリースされました。さらに10月8日にはPostgreSQL 9.5 beta 1がリリース予定となっています。また,PostgreSQL 9.0~9.4のマイナーバージョンのリリースも同時に予定されています。PostgreSQL 9.0系はこれが最後のリリースになります。現在も最終リリースに向けて,テストおよびバグの修正や機能改善が行われています。

本記事前半でふれておりますが,2015年9月12日沖縄で開催されたJava Küche主催の「RDB最前線 2015」にて,PostgreSQLのコア機能開発なども行っているNTTデータの澤田さんがPostgreSQL9.5の新機能紹介をしています。

2015年9月にリリースされたPostgreSQLに関連するソフトウェア情報は以下の通りです。

PgBouncer 1.6.1

セキュリティーに関するバグに対応したPgBouncer 1.6.1がリリースされました。PgBouncerは PostgreSQLの軽量なコネクションプールを提供します。

PgDAC 4.6

PostgreSQLへの直接アクセスを提供するコンポーネントとライブラリであるpgDAC 4.6がリリースされました。PgDAC 4.6はRAD Studio 10 Seattleにも対応しています。

pg_back 1.2

PostgreSQLの論理バックアップをサポートするpg_back 1.2がリリースされました。

tds_fdw v1.0.4

PostgreSQLからMicrosoft SQL ServerやSybaseデータベースへアクセス可能なtds_fdw version 1.0.4がリリースされました。tds_fdw v1.0.4はPostgreSQL 9.5にも対応可能です。

先月のイベントやセミナー,ユーザ会の活動のレポート

PostgresOpen 2015

日本のイベントではありませんが,ダラスでPostgresOpen 2015が2015年9月16日~18日の日程で開催されました。PostgresOpenはユーザやベンダー企業を対象にしたPostgreSQLのカンファレンスです。

著者プロフィール

上西康太(うえにしこうた)

Bashoジャパン株式会社 シニアソフトウェアエンジニア

Bashoジャパンのソフトウェアエンジニア。分散システム歴7年あまり。趣味はゲームと酒。


佐藤千佳(さとうちか)

株式会社メトロシステムズ

Oracle Databaseに関する技術支援業務を担当後,OSSプロダクトを扱う専門チームに配属。現在はPostgreSQLのR&D業務を担当。PostgreSQLの技術者を育成するための教育活動にも力を入れており,近年はコミュニティ活動を中心に全国でPostgreSQLの講演を行っている。


梶山隆輔

MySQL Sales Consulting Senior Manager。

日本オラクル(株)において,MySQLのお客様環境への導入支援や製品の技術解説を担当するセールスコンサルタントチームのアジア太平洋地域リーダー。多国籍なMySQL部門にて,オーストラリア,インド,台湾などに在籍するチームメンバーを束ね,アジア太平洋地域の25以上の国や地域でのMySQL普及やビジネスの拡大をミッションとする。

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