PyCon JP 2015の作り方

第3回 プログラムチーム編:テーマ,プログラム,新企画等

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子ども向けワークショップについて

PyCon JP 2015プログラムチームの的場です。PyCon JP プログラムチームでは,毎年新しい企画にチャレンジしています。2015年度は,新企画として子ども向けワークショップの開催を企画しています!

新企画の立案

新企画を決定するため,プログラムチーム内ではブレストを行いました。ブレストはGoogleスプレッドシートを使って,メンバーが随時思いついた企画を書き込んでいく方法を採りました。ブレストの中で出てきた,新企画のアイディアの例を紹介します。

  • PyCon JP アワード
  • パネルディスカッション
  • ライブコーディング
  • 自由にかけるボードの配置

いくつかのアイディアがでて来たところで,プログラムチーム内で話し合いをし,採用案を絞り込みます。その中で,今年度のPyCon JPのテーマである「Possibilities of Python」にマッチしており,チーム内でモチベーションの高かった「子ども向けワークショップ」が採用にいたりました。

子ども向けワークショップの想い

どうして今回子ども向けワークショップを開催することにしたのかをはじめに説明します。繰り返しになりますが,PyCon JP 2015のテーマは「Possibilities of Python」⁠Pythonの可能性・将来性)です。

Pythonはこの記事をご覧の皆さんはご存知の通り,プログラミング言語です。プログラミング言語は,あくまでもソフトウェアを生み出すツールであり,それを使うのは人です。Pythonが今後も利用範囲を拡大し,長く利用されていくためには,多くの人に利用されることが必要になります。Pythonの将来や可能性を広げるため,次の時代を担う子ども達にPythonを知ってもらうことは大切なことです。

そこで,子ども達にPythonに興味をもってもらうきっかけになればと,子ども向けワークショップを開催することにしました。

子ども向けワークショップ開催にあたって

子ども向けのワークショップを開催するにあたって,最初に次の内容を検討しました。

  • 子ども向けワークショップの「子ども」とは?
  • ワークショップの内容はどうするか,またどうやって準備するか?

今回,子ども向けワークショップと題しておりますが,そもそも「子ども」とは,どの年齢を指しているのか,等の議論がありました。プログラミングには,タイピングが必須となります。今回のワークショップでは,Pythonでのプログラミングに興味を持ってもらうことを目的にしています。そのため子ども達には,自分でPythonのプログラムを書いたり,修正したりしてもらいたいと考えています。そうなると,ある程度のタイピングを行えることが参加資格として挙がりました。また,あまりに幼いと理解が追いつかないことや収拾がつかなくなる可能性があることから,参加者の年齢は小学校5年生以上から高校生までを対象とする方針としました。

ワークショップの具体的内容については,現状のPyCon JPスタッフだけで実施すると手に負えない可能性が高く,外部団体のTENTOさんと協力体制を組んで進めていく方針としました。また,どのようなモノを題材とするかという話の中で,業務系かエンターテイメント系かと言った議論があり子どもに興味を持ってもらうという観点や,外部団体の準備の容易さからエンターテイメント系の内容を題材とする方向性としました。また,外部団体と組んでいくことが検討されると同時にワークショップの開催日,予算,会場,参加人数などについても同時に検討が進みました。

協力体制を組む外部団体には,Pythonを利用したプログラミング教育のノウハウをもつ協力団体を探しました。日本国内に,Pythonでプログラミング教育ノウハウをもつ団体は少ないのですが,PyConスタッフの推薦もありTENTOさんと組んでいくことが決定しました。

TENTOさんと具体的な内容を詰めていく中で,とあるゲームをPythonから操作し,幾何学図形を操る題材の提案をいただきました。それらをPyCon JPスタッフで検討した結果,自分が書いたプログラムで何かが動くというプログラミングの楽しさを感じてもらうのに非常に良い題材だと判断し,採用にいたりました。

ワークショップの開催日について,子どもを対象としていることから,学校のある平日の開催は避けることが挙がり,同時にPyConというカンファレンスの雰囲気を体感してもらいたいという想いからカンファレンスデーの日曜日に開催としました。

PyCon JPでの子ども向けワークショップ開催の難しさ

まず,子ども向けワークショップを開催するには,子ども向けにプログラミングのワークショップを行うノウハウが必要になります。今回は,その問題を外部団体のTENTOさんと協力することで解決しています。

また,子ども向けワークショップは,PyCon JPの中で開催する一つのイベントではありますが,参加者はPyCon JP本体とは別枠で募る予定です。そのため,子ども向けワークショップのイベントとしての規模は,PyCon JP本体より小さいものの,対応範囲としては,出し物と会場を準備するだけでなく,イベント広報や当日の受付,参加費の集金など,広範囲に及びます。また,外部団体と組んで行くことにより,調整事項や検討事項は多岐に挙がります。それらを管理したり外部との認識を合わせていくことの難しさが,今回の子ども向けワークショップのようにイベント内でイベントを外部団体と組んで開催する難しさではないでしょうか。その解決策として,次のような内容に取り組んでいます。

  • 打ち合わせ内容は可能な限り,議事録として残す
  • 確認事項や対応内容は,BTS(Bug Tracking System)で管理する

口頭で話した内容を議事録に残していない場合,参加者の記憶にズレが出ると認識がズレることになります。その結果,何度も同じ話をすることになりますので,議事録を取ることを心がけています。また,PyCon JPスタッフは,別に仕事を持っている方がほとんどですので,打ち合わせ終了時点で議事録が完成するように,打ち合わせをしながら議事録を作成していきます。打ち合わせなどで見つかった確認事項であったり対応内容は,BTSでチケットとして発行して管理しています。これは,後々に,何が確認できているかの追跡を容易にすることと,課題の担当者や対応者を明確にすることなどの意図があります。このようにいくつかの工夫を重ねながら,新企画の成功に向けて取り組んでいます。

まとめ

メディアチームの芝田です。

このようにしてプログラムチームでは,PyCon JPの企画の準備を進めています。今年も様々な企画を用意しています。お楽しみに!

次回は,会場チームの準備を担当者に紹介してもらう予定です。この連載も次回で最終回です。更新をお楽しみに!

著者プロフィール

関根裕紀(せきねひろのり)

複数のスタートアップにて,さまざまなWebアプリケーション開発に携わったあと,アライドアーキテクツ(株)に入社。業務では主にWebサービスの開発全般を担当している。5,6年ほど前にPythonを使用して以来,Pythonが好き。PyCon JP 2015 副座長(プログラム),また月に一度の勉強会である「Pythonもくもく会」を主催している。

Twitter:@checkpoint


齋藤大輔(さいとうだいすけ)

早稲田大学基幹理工学研究科博士後期課程に在籍。専門はソフトウェア工学,ソフトウェア開発教育。好きなゲームはMinecraft。

趣味でPythonを使用してゲームなどを開発している。PythonのライブラリやフレームワークはKivy,Ren'Py,Bottle,などが大好きである。

PyCon JP 2015(プログラム)ではキーノートと子ども向けワークショップを担当している。


的場達矢(まとばたつや)

大学・大学院にて情報工学を専攻し,現在はSIerにてSEとして勤務。業務では主に基幹系システムの運用保守を担当。

学生時代にPythonと出会い、Pythonの設計思想に惚れる。大学院時代にはPythonのnumpyやscipy,matplotlibを利用して音声信号処理や統計分析,機械学習を経験。卒業後は趣味でDjangoなどを利用して遊んでいる。

PyCon JP 2015では子ども向けワークショップを担当している。


芝田将(しばたまさし)

明石高専の学生でBeProudアルバイト,Pythonの勉強会akashi.pyを主催。PyCon JP 2015ではメディアチームに在籍。

Pythonが好きで趣味やアルバイトではDjangoを使ってWebアプリを書きつつ,研究ではpandasを利用。

PyCon APAC/Taiwan 2015に参加して,PyCon JPの宣伝をしてきましたが,僕自身はPyCon JPへの参加経験はなく,かなり楽しみにしています。

Twitter:@c_bata_

Facebook:芝田将