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大学におけるGitHub/GitHub Educationの活用事例 〜慣れることがソーシャルコーディングの道を拓く

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GitHub/GitHub Educationの活用の上での注意点

ここでは,GitHubやGitHub Educationを利用する上で困ったことや,心掛けていることを挙げます。

まず,授業で利用したとき,60名中,数名の学生がbot認定され,何も操作できなくなりました。その学生は,いろいろな対策を個人的に行い,最終的に多くの時間と労力をその対応に費やしましたが,独力では解決できませんでした。結局,私まで相談に来て,解決策(GitHubのサポートページから解除のメールを送る)を実施し,解決しました。学生自身に問題があるわけではないのですが,このような問題がある可能性を伝えていれば,もっと早く解決できたのではないかと思います。

また,GitHubのメッセージは基本的に英語です。それだけで読もうという姿勢すら見せない学生も一定数います。英語のメッセージに対する補足も授業で必要になるでしょう。

学生の中には自分の操作方法が悪いと思い,何度も講義資料にある操作を繰り返す者もいます。本来は,それぞれの操作の意味を理解した上で行うことが望まれるのですが,なかなか全員が理想通りに動くわけではありません。そして,学生が起こし得るすべてのエラーを,あらかじめ教員が網羅できるわけでもありません。対症療法的に一つずつ地道に対応していく他ないのかなと思っています。

次に,私が学生とともにGitHubを数年使い続けていることを踏まえて,心掛けている方針を紹介します。それは,何を行いたいのかの区別をしっかりとつけることが重要であるということです。例えば,講義などの課題では,Gitの使い方や,GitHub Flowの一連の流れをしっかりと実践することが重要です。そのため,ブランチの切り方やプルリクエストの方法を細かく指導する必要があります。

一方で,卒論や研究室での開発では,開発や原稿の成果が重要であり,GitHubを利用するのは成果を共有するためであると割り切っています。そのため,GitHub Flowなどの流れは,実践できれば儲けもの程度の意識を持って学生に接しています。ただし,興味を持った学生にはGitやGitHub Flow,プル型開発を少しずつ教えています。そして,学生の間で広がっていくのを期待しています。数年に一度くらいは学生の間で広まっていきます。残念ながら引き継がれていかないのが目下の悩み事ですが……。

まとめ

私のGitHub/GitHub Educationの活用例を紹介しましたが,いかがでしょうか。GitなどのDVCSやGitHub Flowなどのプル型開発は,慣れるまでのハードルが非常に高いと思います。しかし,実践しなければいつまでも身につきません。とにかくやってみるという姿勢が重要です。

そして,GitHubは,学生に対してStudent Packという豊富な特典をつけています。インターネット環境があれば,プル型開発やクラウド環境,CI環境などを実践できるようになるのです。これらを活用することで,より高度でより面白い開発に携われるようになっていきます。そして,GitHub Flowのようなプル型開発に慣れることで,世の中のOSSへの貢献の道が,そして,GitHubが謳うソーシャルコーディングへの道が拓けるのです。

今年もGitHubにお世話になる年になりそうです。今年もよろしくお願いします。

著者プロフィール

玉田春昭(たまだはるあき)

京都産業大学 コンピュータ理工学部 准教授。
ソフトウェア工学,ソフトウェア保護の研究に従事。

研究室Webサイト:http://tamadalab.github.io/
GitHub:tamada

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