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書籍紹介

クラウドゲームをつくる技術 ──マルチプレイゲーム開発の新戦力

[表紙]クラウドゲームをつくる技術 ──マルチプレイゲーム開発の新戦力

2018年9月20日発売

中嶋謙互 著

A5判/432ージ

定価(本体2,760円+税)

ISBN 978-4-7741-9941-2

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この本の概要

クラウドで,新しいゲームをつくるための技術解説書。

Webサイトの文書に端を発し,いまや人工知能に至るまで,クラウドはあらゆるものを飲み込んでいます。

ただ,ゲームだけは,クラウドの一部になることはありませんでした。それは,1秒あたり60回,リアルタイムに更新し続けるという,ゲームの持つ,厳しく強い要件のためです。

しかし,通信技術が劇的に向上し,クラウドインフラが地球全体をカバーしつつある今,いよいよクラウドがゲームを飲み込む,その瞬間が訪れるかもしれない……と現実に考えられるようになってきました。

本書では,人気抜群のマルチプレイゲーム開発にスポットを当て,従来からのビデオゲームにおける画面描画のプログラム構造,クラウドにおけるソケット通信,という二本柱で基礎知識から丁寧に解説。

さらに,クラウドゲームという新たな設計思想で,何が変わるのかがすぐわかる,多彩な軸の7つのサンプルコードに加えて,実運用に求められる検証や性能改善のテクニックも,この1冊に凝縮しました。

これからの時代に合った,ゲーム開発について,新しい技術と実績のある技術とを,一緒に,ゼロから考えてみたい,そんな方々へお届けします。

オンラインゲームを支える技術』の著者による全面書き下ろし。

こんな方におすすめ

  • 現在,ビデオゲ-ム産業に関わっている方々
  • 将来,ビデオゲ-ム産業に関わってみたい方
  • インターネットやクラウドに関わる仕事をしている方。将来,その業界に関わる仕事をしてみたい方
  • 現在主流のビデオゲ-ム(非クラウドゲ-ム)を形づくる描画技術について,大まかに短時間で把握したい方
  • 現在のインターネットを支える通信プロトコルの基礎について,大まかに短時間で理解したい方

本書の構成

本書の章構成と,ブロックごとのテーマは,以下のようになっています。

第0章[ゲーム開発者のための]レンダリング再入門
「ゲームプログラムはほとんど描画ばかりを行っている」
➡本書の内容を理解するための知識の準備をする
第1章クラウドゲームとは何か
マルチプレイゲーム開発が変わる可能性が見えてきた(!?)
第2章クラウドゲームのアーキテクチャ
実現したいゲーム×技術の適性を見定める
➡本書におけるクラウドゲームの範囲を押さえる
第3章開発の道具立て
開発環境と2Dクラウドゲームライブラリとしてのmoyai
第4章OpenGLを用いたローカルレンダリングのしくみ
moyaiの基礎部分。描画APIと内部動作
第5章スプライトストリームの通信プロトコル
リモートレンダリング方式概論,スプライトストリームの基本設計
第6章OpenGLを用いたローカルレンダリングのしくみ
TCPによる送受信,ストリームのなかみ,関数群
➡クラウドゲームの設計と実装を理解する
第7章[クイックスタート]クラウドゲーム
多彩な軸のサンプルゲームから見えてくる要所
第7章[本格実装]クラウドゲーム
ネットワークプログラミングなしで,MMOGの実現へ
➡実際にプレイできるゲームを動かしてクラウドゲーム開発を実体験する
※補足:

本書で扱うクラウドゲームは,従来からあるビデオゲームにおける画面に描画するプログラムの部分を,クラウドを形づくるソケット通信の技術を前提として設計し直すことで可能になる,新しい設計思想を持つゲームです。

したがって,クラウドゲームを理解するためには,クラウドゲームではない,従来からあるビデオゲームがどのような技術を用いて画面を描画しているのかの基本的な考え方を理解して準備する必要があると言えます。

そのために,本書では第0章として,従来型のビデオゲームが画面をどうやって描画しているのかを,大まかに理解するための説明を行っています。第0章でゲームの描画に必要な数段階の工程を理解できれば,その工程がどのようにクラウドに展開されるのかが理解できるようになるでしょう。

第1章と第2章では,本書が扱うクラウドゲームと,その範囲を正確に定義します。現在,ゲーム産業ではまだクラウドゲームという用語自体が発展中であるため,その後の章でさらに詳しく技術を掘り下げるためには,正確な定義が必要であるためです。

第3章から第6章までで,本書で扱うクラウドゲームのタイプである「クライアントサイドレンダリング」を実装するゲームライブラリmoyaiの内部構成や,通信プロトコルである「スプライトストリーム」がソケット通信の技術を用いて具体的にどう実装されるのかについて,詳しく解説します。

本書では,理論と実践の両輪を目指し,第6章までの理論に加え,実際にプレイできるサンプルゲームを数種類実装し,ゲームサーバーをインターネット上に配置して,リモートでプレイしてみることができるようになっています。そのサンプルコードの使用方法や内容を,第7章と第8章で紹介します。

著者プロフィール

中嶋謙互(なかじまけんご)

小学生の時からゲームプログラミングを始める。90年代後半には,Javaアプレットを用いたブラウザ向けMMORPGを制作。商用サービス,PC用マルチプレイゲーム,家庭用ゲームを経て,2000年に,オンラインゲーム用ミドルウェアVCEを制作,販売開始,日本でトップシェアを達成。2011年,『オンラインゲームを支える技術』(技術評論社)を執筆。CEDEC AWARDS 2011 著述賞を受賞。中国語・簡体字版,中国語・繁体字版,韓国語版に,翻訳出版される。2013年から,シンラ・テクノロジーでクラウドゲームの開発プラットフォームを実装。2016年夏より,㈱モノビットのCTOとして通信ミドルウェア事業の開発を担当している。現在は富山の稲作地帯において,仕事と子育てに明け暮れる日々を送る。
仕事歴:https://github.com/kengonakajima/profile/

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