PyCon JP 2018カンファレンスレポート

[1日目]キーノートは南米からのスピーカー,AI人材の育て方,注目セッション~LTまで

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1日目ライトニングトーク

(二宮健)

PyCon JP 2018では,1日目,2日目ともにクロージングでライトニングトークを行いました。1日目は4枠+スポンサー企業の1枠の発表があり,その中から3つピックアップしてご紹介します。

「テキストマイニングによるTwitter個人アカウントの性格推定」 ― Jumpei Yoshimura

普段は株式会社アイリッジでサーバーサイドエンジニアとして働いているという吉村氏。

LT中の吉村氏

LT中の吉村氏

「片思い中のあの人の性格を推定してみよう」として,Pythonの各種ライブラリを使ってツイートの収集や分析を行っていました。ツイッターで「エゴグラム」の結果をツイートしているアカウントのデータを正解データとして分類していた点が,とてもスマートに感じました。

実際にライブコーディングで実行して「皆さんが絶賛片思い中のPyCon JPのアカウントは『お人好しタイプ』だとわかりました」と言うと,会場から拍手が巻き起こっていました。正直「ちょっとストーカーの話っぽいけど大丈夫なの?」とスタッフ同士顔を見合わせる場面もあったのですが,終わってみると真面目でユーモアもある発表だったと思います。

「Why your Django account registration should use a Turing test...」 ― Marc-Andre Lemburg

EuroPython SocietyのChairを務めているMarc-Andre Lemburg氏の発表です。

今年の6月にEuroPythonのWebサイトにサイバー攻撃があり,元々5,000人程度のユーザーデータベースに対して,およそ30,000人程度の新規登録がされていたそうです。その時は運良く数日で攻撃がやんだものの,再び攻撃が来たときのために対策したという話でした。

DjangoのセキュリティについてLTするMarc氏

DjangoのセキュリティについてLTするMarc氏

そこで,EuroPythonのサイトにはDjangoを利用していて,実際に人間がアクセスしていることを確認するTuring TestとしてTextcha(テキストベースのCaptcha)を導入したそうです。GDPRの影響でGoogleのCaptchaを使わない判断をしたというのがヨーロッパならではの苦労話で印象的でした。

「医学研究者が深層学習環境の立ち上げの際に苦労した話」 ― Satoshi TAKAHASHI

元々は脳外科医だという高橋氏。医学研究というとWet(ピペットやマウスを使って実験を行う分野)を想像しがちですが,2010年頃からDry(情報処理を使う分野)「大きなデータを持ってきて推論するような分野がメインストリームになってきている」そうです。しかし,医学研究者のコンピュータサイエンスのリテラシーが必ずしも高くないという問題があるそうです。

医学におけるデータ分析の重要性を語る高橋氏

医学におけるデータ分析の重要性を語る高橋氏

そんな周囲の人に頼れない状況で,大量データからの推論のために深層学習環境を立ち上げる際に起こった,⁠ドライバーやtoolkitのアップデートが早く,公式情報に当たるのが確実だった」⁠大学の電源が落ちることが合ったのでAPSを導入した」などの苦労話をされていました。

1日目ライトニングトーク一覧

今回ご紹介しきれなかったものも含め,1日目のライトニングトークの一覧はこちらです。また,Pythonの公式アカウントにライトニングトークの動画がアップロードされています。

  • PyCon JPで転職してみた人のホンネ : 平尾元紀(Motoki Hirao)
  • テキストマイニングによるTwitter個人アカウントの性格推定 : Jumpei Yoshimura
  • Why your Django account registration should use a Turing test... : Marc-Andre Lemburg
  • 医学研究者が深層学習環境の立ち上げの際に苦労した話 : Satoshi TAKAHASHI
  • 暗号通貨技術・ブロックチェーン技術を活用するCrypto-Fintech Lab. : Narisa Takita

次回は

1日目のカンファレンスレポートは以上です。今回紹介できなかったセッションも多数あるのですが,それらは下記のリンクから見ることができます。みなさまの気になるセッションやトークは見つかりましたか?

2日目のレポートも後日,公開しますので楽しみにしてください!

著者プロフィール

陶山嶺(すやまれい)

事務局チームで主にメディアスポンサーを担当。PyCon JPにはPyCon JP 2015で初めて一般参加。Python自体に貢献しようとPyCon JP 2016からはスタッフとして参加している。

渋谷のSENSY株式会社に勤務し,広島の尾道でリモートワークを実践中。前職ではiOS/Androidアプリ開発,現職ではPythonとGCPでのサーバーサイド開発をメインとしている。

学生時代から一番好きな言語はずっとPythonで,GCPUG岡山の運営にも携わっている。

『WEB+DB PRESS Vol.104』で特集「イマドキPython入門」を執筆(共著)。

Twitter: @rhoboro


大堀優(おおほりゆう)

事務局チームでメディアスポンサーを担当。

現在は,新日鉄住金ソリューションズ株式会社で異常検知をはじめとした機械学習及びデータマイニングの研究開発に従事している。

Twitter: @Y_oHr_N


二宮健(にのみやたけし)

PyCon JP 2018で,メディアスポンサーやジョブフェアを担当。

株式会社LIFULLのAI・データ分析チームで,PythonやRubyを使って開発しているソフトウェアエンジニア。最近読んで面白かった本は『エンジニアの知的生産術 ──効率的に学び,整理し,アウトプットする』


花井宏行(はないひろゆき)

事務局チームで主にメディアスポンサーを担当。スタディプラス株式会社所属。PyCon JPにはPython未経験のままスタッフに参加。スタッフ参加がきっかけでPythonに興味を持ち,日々勉強中。

現職ではRuby on Railsでサーバーサイド開発をメインとしている。学生時代の縁で舞台監督や舞台運営のスタッフとしても活動している。

Twitter: @hanahiro_aze

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