早稲田塾スーパーITプログラム2018,開講――今年のテーマは「0→1を実現する創造力を身に付ける」

講義01:SNS登場以降の日本のネット社会を知る,Adobe XDで表現できること

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ネット時代に必要な基礎知識と基礎スキルを習得する1日

2018年8月15日に,早稲田塾と株式会社技術評論社による,現役高校生向けの短期講座未来発見プログラム スーパーITプログラム2018が開講しました。

本プログラムでは,⁠ITリテラシーを学び,物の考え方,本質を体得する。」をテーマに,毎回座学とグループワーク,そして,フィールドワークを交えた内容で授業を行います。さらに全講義を修了した受講生にはアドビ システムズ株式会社からサーティフィケートが発行されます。

それではまず,初日に行った講義の模様からお届けします。

IT/インターネットの先にある変化を想像する

8月15日に行われた最初の講義では,午前中は筆者が講師となり「インターネットの歴史~これからの日本とIT~」と題した座学を行いました。

早稲田塾大崎品川校にて,第1講を行った

早稲田塾大崎品川校にて,第1講を行った

講義の中では,まず,インターネット,とくに日本でSNSが登場した2004年~今までのやく15年間の,インターネット・ITテクノロジーの進化と,それに伴う社会構造の変化について,コミュニケーションや価値観と言った切り口で紹介しました。

たかが15年と言えども,2004年にmixiが登場してから,その後,TwitterやFacebookが流行り,さらに今ではInstagramをはじめとした画像・映像をツールとしたコミュニケーションが発達しました。

ハードウェアの観点では,2008年のiPhoneの登場以降,ここ日本でのスマホ社会は一般化しています。こうした事実を紹介しながら,その事実がある時代とない時代の両方を体験している大人,そして,その事実が生まれたときからすでにあたりまえになっていた,受講生たちとの対比など,考えれる「価値観の変化」と,それがもたらす「多様性」について紹介しました。

今や多く生活行為がスマホをタッチポイントとして行えるようになってきたことを説明したスライド

今や多く生活行為がスマホをタッチポイントとして行えるようになってきたことを説明したスライド

また,この15年の間には2011年に起きてしまった東日本大震災のように,世代や地域の枠を越えて,価値観を揺るがした出来事,その震災がきっかけで生まれたLINEといったITツールのことも触れ,先が読めない時代だからこその,創造力と可能性の重要性についても高校生たちに伝えました。

また,直近,多くのメディアで取り上げられているAI/IoTについて,技術的解説に加えて,すでに実社会で使われている事例を取り上げながら,この先の日本で起こりうる変化を想像するきっかけを提供する内容で,講義を終えました。

自分たちの表現を相手に伝えるためのクリエイティブツール「Adobe XD」

座学に続いては,サーティフィケート企業であるアドビ システムズ株式会社から,轟啓介氏を講師に招き,⁠Adobe XDで旅のしおりをつくる」と題したハンズオンを実施しました。

Adobe XDの操作方法について,短い時間の中わかりやすく解説したアドビ システムズ株式会社 轟啓介氏

Adobe XDの操作方法について,短い時間の中わかりやすく解説したアドビ システムズ株式会社 轟啓介氏

今回のスーパーITプログラムでは,座学やフィールドワーク・グループワークに加えて,今,デザイン・クリエイティブ界隈で注目を集めているUI/UXデザインソフト「Adobe XD」を,実技ツールとして組み込み,プログラムの最後に行う最終プレゼンテーションの発表資料制作で使用することを条件に,講義を設計しています。

当初,このお題をもとに轟氏と授業設計について打ち合わせた際,プロのデザイナー・クリエイターではない高校生にとって,Adobe XDを使ってもらうためにはどうすれば良いか悩みました。

そこで,いきなりUI/UXの概念から説明するのではなく,身近なものを自分たちで触れる何かに作り上げよう,という方針を決め,講義の後半で実施する福岡フィールドワークのタイムテーブルを題材に,スマホ対応の旅のしおりをつくる,というテーマになったのです。

受講生は1人1台のPCを準備し,実際にAdobe XDを使いながら課題の「旅のしおり」アプリモックを制作した

受講生は1人1台のPCを準備し,実際にAdobe XDを使いながら課題の「旅のしおり」アプリモックを制作した

このテーマのもの,轟氏はアートボードの概念,オブジェクトの概念など,Adobe XDの基本を紹介していくと,高校生たちは教える側の想像以上に早く飲み込み,当初の課題となっていた「旅のしおり」アプリモックを約3時間で完成させました。

後に,全講義が修了したあとにある受講生に聞いたところ,⁠当初は他のプレゼンテーションツールに比べて,自分で作らなければいけないことが多く,また,操作に慣れていないので,正直面倒くさそうというのが第一印象でした」と,Adobe XDの第一印象はあまり良くないものだったとコメントしました。⁠でも,最終プレゼンテーション資料をつくるにあたって,画面で見せられる表現はもちろん,とくに資料間の移動(画面遷移)が,自由でかつ直感的にわかりやすく,自分たちが考えたアイデアを相手に伝えやすいものだというのがわかりました」と,Adobe XDの特徴であるUI/UXデザインを,肌で感じ取ってくれたのが印象的でした。

◆◆◆

こうして,初日は,インターネットによって起きた日本社会の変化と,この先の未来で起こりうる変化を考えるきっかけを学ぶ授業,そして,デジタル社会を迎えるにあたり,自分たちのアイデアを相手に伝えるための表現を実現するAdobe XDのハンズオンの二部構成で授業を終えました。

後編では,福岡フィールドワークの模様を中心に,スーパーITプログラム2018の最終プレゼンテーション,そして,これからの展望についてまとめます。

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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